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かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】

第2章 かぐや姫は月に帰りたくない!!


銀時の脳裏にあの使者の言葉が過った。

 
「また、お前は邪魔をするのか」


茂茂は窓の外の月を見上げたまま続けた。


「だがある時、一人の男がいた。……冷たい玉座に縛り付けられた彼女を不憫に思った男だ。男は月の掟を裏切り、彼女をその役目から解き放つため、密かに地上へと送り出した」

「…………」

「自由を。ただの、一人の女としての人生を。……男は、彼女が地上で誰かを愛し、笑って生きることを願ったのだろう。……だが、月は彼女を逃さなかった。そして、一千年経ち、再び彼女はこの地に降り立ったが、歌声が天に届いてしまい、また連れ戻されてしまった…」


銀時は掌の中の羽衣と、が残していった簪を強く握りしめた。
彼女は自分を逃がしてくれた男の想いを背負い、この地で必死に生きようとしていた。
慣れない着物を着て、不器用に米を研ぎ、歌舞伎町の泥臭い優しさに触れて。

今頃、彼女はあの凍てつくような宮殿の奥で、銀時たちの記憶を鮮明に抱えたまま、絶望の祈りを捧げているのだろうか。


「……笑わせんじゃねーよ」


銀時の紅い瞳に、静かな火が灯った。


「祈りだの守護だの、そんなもんのために、あいつが泣かなきゃいけねーのかよ」

「銀時殿……」


「……将ちゃん。……悪いが、この布団、少しの間貸しといてくれ。……すぐに、月まで殴り込みに行く支度をしなきゃならねーからな」


銀時の言葉に、茂茂は深く頷いた。



一千年の悲劇に終止符を打つための、銀色の反撃が、今始まろうとしていたーー。





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