【HUNTER×HUNTER】水面に映る雷光【キルア】
第5章 自覚と独占欲
夜更け。
港町を離れた林の中。
テティスは野営地で火おこしをしている。
キルアは少し離れたところで薪を拾っていた。
周囲の気配を削り、耳だけを研ぎ澄ませていた。
――来る。
殺気じゃない。
甘く、粘つく圧。
「ふぅん……」
背後から、軽い声。
振り返るより早く、距離を測る。
逃げ道は確保。
テティスはいない。――それでいい。
木の枝に、道化師が腰掛けていた。
ヒソカ。
「さっきの、見事だったよ♠
発が速い。判断も、悪くない…」
キルアは答えない。
視線だけを上げる。
「……何の用だ」
ヒソカは楽しそうに肩をすくめる。
「用?ただの感想かな♡」
一拍。
「――でもね」
声音が、少しだけ低くなる。
「“守れてる”って言える?♦︎」
キルアの指が、わずかに動く。
「人身売買。あれ、偶然じゃない♠︎」
ヒソカは、地面に落ちる影を見下ろす。
「才能は嗅ぎつけられる。
水の操作系、若くて完成度が高い。
オマケにあの綺麗な容姿…
……狙われない方が不自然だ♡」