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海に漂う星屑のように

第5章 EXSTRA①〜Be my Valentine♪


【エクストラトラック:Be my Valentine♪】

ああ・・・疲れたなあ・・・

デスクのパソコンでの文書作成が一段落し、俺は、ぐっと伸びをした。
ずっと画面を見つめていた目がしょぼしょぼする。もう、若くねえなーと我ながら思う。

時刻は21時32分。先日逮捕したホシの調書を巻いてたらあっという間にこんな時間になってしまった。
机の上にちょこんとチロルチョコが置いてある。

「あれ、これ何?」
誰に問うともなく言うと、2つ離れた席に座っている後輩の鈴江が律儀に答えた。
「それ、三木さんがみんなにって、ばらまきチョコっすね」

三木とは、前回の異動で刑事課に配属になったばかりの女性刑事だ。最近はこういうのはしないことになってると言ったのだが・・・妙に気を使って、こんなもんを撒いてからに・・・。

そんな風に思ったが、ぐーっと腹も鳴っていた。
気がつけば飯も食わずに調書づくりをしていたわけで、腹が減っててもしょうがない。俺はパッケージを雑に開くと、チロルチョコを口に放り込んだ。

そういや今日は2月14日か。
世間じゃバレンタインらしいが、刑事・・・しかもバツ1やもめの中年デカには全く縁のないイベントだ。こうしてチロルチョコが口に入れられただけで、マシかと思うしかない。

さて、もうひと頑張り・・・
すっかり冷めきったコーヒーを呷ると、俺は再びラップトップパソコンを開いた。

その時、るるるると、内線電話が鳴り、鈴江が取った。
「係長、受付から連絡が来てるんですけど?」

電話口を押さえながら鈴江が俺に言ってきた。

はて、受付・・・?
弁護士かなんかだろうか?

「俺に?」
「そう言ってます」
「分かった、回して」

鈴江が電話機を操作して俺のデスクに電話を転送する。
るるるる、と着信音が鳴った電話を取り上げた。電話の向こうは今日の受付担当らしい若い女性警察官だった。

「あ、宗像係長?・・・なんか、署の前に不審なヤツがいたとやらで、バンかけたら宗像係長を待ってるって言ってて・・・」

この瞬間、俺の背中に嫌な予感が走った。

「何の用?って聞いたら、係長の名刺を・・・」

瞬間、俺は『ちょっと待て!今行く!』と半ば叫ぶように言うと、受話器を叩きつけるように置いた。
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