第3章 撮影開始
休憩中、監督さんとマネージャーさんの
ある話を立ち聞きした。
〈びっくりしたよー…
二宮くんがよくここに来るなんて…〉
ニノが?
よくここに?
〈変装してるから、
店員さんも分からないんじゃないかな。
でも、毎日ですよ。最近…〉
変装…って…もしかして…?
〈しかも深夜なんだもんね。来るの…
ま、芸能人だとそうなるか…〉
ウソ…あの謎な男の人が…二宮和也?
気づかなかったけど、
確かに普通の人にしては怪しかったし。
あたしはいつのまにか
コンビニの外に出ていってしまっていた。
「店員さん、何してるんですか?」
『え…へ!!?』
あたしに声をかけたのは紛れもなく
口を押さえて笑う二宮和也だった。
「もしかして、バレました?
俺が深夜に来てること…」
『は、はい。』
「なんだ。おもしろくないですね。
ま、二人だけの秘密ですよ?」
なんて言いながらニノは
あたしの頭をポンポンと撫でて
撮影へ戻った。