第3章 撮影開始
夜中の出勤
それはいつもと変わらない。
はずはない!
だって…
〈どうしよ~!
ニノが来るのよ~!
Jとかは来ないのかな!!〉
瀬崎さんは思った通り、
深夜なににノリノリで…
あたしはまぁまぁ緊張していた。
撮影ていうこと事態にも
二宮和也というものにも。
〈え~…それでは二宮さんクランクインです!〉
パチパチパチ…
スタッフのみなさんが拍手をして
迎えるその人物は紛れもなく
“二宮和也”だった。
「えっと、3ヶ月という短い間ですが
みなさんといいドラマを作りたいと思います。
よろしくおねがいします。」
うわぁ…。
ドラマの撮影ってこんな感じに進むんだ。
〈もぉ…〉
その時、後ろにいた瀬崎さんが
ため息をついて帰ろうとしてた。
『どうしたんですか?』
〈義理の母が文句言ってるみたい…
帰るわ…。〉
『…そうなんですか。
じゃあ、また明日』
瀬崎さん楽しみにしてたのに…。
確か義理のお母さんってアルツハイマー
だったっけ?
それで深夜のバイトも入ったんだよね。
そんなことを考えているうちに
ドラマの撮影が始まった。