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【呪術廻戦】誰も知らない

第1章 八百比丘尼伝承


昔、あるところに漁師の男がいた。
ある日、いつも通り漁に出た男は海難に遭った。
海を漂流した末にどことは知れない島に流れ着いた。
島の人々は男をたいそうもてなしてくれた。
島を出れるほど回復したときには宴まで開いてくれた。
宴では豪華な食事が振る舞われた。
そこで男は見たこともない肉を見つけた。
島人たちはその肉を食べるように勧めてきた。
男は見慣れない肉を食べる気にはなれなくてこっそり懐にしまった。
宴の次の日、男は島人に見送られて島を出た。
不思議と舟は漕がなくても男を故郷に運んでくれた。
もう死んだものと思われていた男の帰還は村でも話題となった。

『きっとワダツミ様が助けてくれたのだろう』

人々は口々にそう言った。
男は島から持ち帰った肉のことなど忘れていた。

男には一人娘がいた。
ある日、父の着物を洗濯しようとした娘は着物の中に何か入っていることに気づいた。
それが何かの肉であることはわかった。
しかし、何の肉かはわからない。
それでも腹が空いてた娘はその肉を食べてしまった。
それ以降、娘は年を取らず、いつまでも若いままだった。
愛しい人を何人も見送り、女を知る人は誰もいなくなった。
女は出家し比丘尼になった。
比丘尼は全国を巡り、人々を助けた。
そして800年を過ぎる頃、入定した。

こんな『伝承』が日本各地に残されている。
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