第11章 毒ある慈愛の飼育
二度、最奥にまで熱い奔流を注ぎ込んだ相澤は、熱を帯びた身体をゆっくりと引き抜いた。
ズルリ、と肉が離れる卑猥な音が静かな室内に響く。
のそこはまだ男を誘うように小刻みにひくついていた。
溢れ出す白濁が、彼女の腿を伝ってシーツに細い川を作る。
「……っ、ふぅ……」
相澤は乱れた息を整え、額に浮いた汗を拭った。
視線の先には、蕩けた表情で自分を見上げる教え子がいる。
その肢体を再び組み伏せ、朝まで貪り尽くしたいという衝動が脳を焼くが、彼は己の欲望を組み伏せた。
相澤はまだ硬く猛り脈打つ自身を、鋼の理性で強引に抑え込んだ。
発散させることなく、疼きを抱えたまま彼は手際よく身なりを整えていく。
「……明日も、授業はある。無理をして、これ以上身体を壊すなよ」
その声は、つい数分前まで彼女を壊すように抱いていた男のものとは思えないほど静かで、落ち着いていた。
「あ、……はい。……せんせい」
去り際、相澤は一度だけ振り返り、彼女の様子を確認するように目を細めた。
そこには情欲に流される男の姿はなく、ただ生徒の体調を案じる、厳格な教師の姿があった。
はシーツに身を沈めたまま、彼の背中を見つめていた。
自分にあれほど激しい熱を注ぎ込みながら、一歩引けば完璧な理性を保って見せる相澤。
不全感を抱えたまま自分を案じるその振る舞いに、彼女は生徒たちにはない「大人の余裕」と、優しさを感じていた。
「……かっこいいな、……相澤先生」
一人残された暗い部屋で、はまだ熱を孕んだ下腹部を愛おしそうに撫でた。
明日は、緑谷の番だ。
若々しく真っ直ぐな彼らの熱も、そしてすべてを飲み込み管理しようとする大人の冷徹な熱も。
そのすべてが自分のナカで混ざり合っていることに、彼女は深い恍惚を感じていた。