第7章 ※宿儺は伏黒の女を食い散らかしたい 【呪術廻戦 伏黒恵】
「女一人にこれほどまで身を焦がすとは。貴様の青臭さには辟易するが……おかげで面白い暇つぶしができそうだ」
宿儺は音もなく部屋を出た。
向かう先は決まっている。
宿儺にとっての「唯一」が執着する女であり、この小僧が魂を削ってまで守ろうとしている女。
の部屋の前で、宿儺は迷わず扉を蹴破らんばかりに開け放った。
「――っ、悠二くん!? どうしたの、こんな時間に……」
ベッドでくつろいでいたが、驚いて身を起こす。
だが、その言葉は最後まで続かなかった。
目の前に立つ男の、纏っている空気が「虎杖悠仁」のそれではない。
「……悠二、くん?」
「いいや。この小僧は今、内側で自らの業に焼かれているよ」
宿儺は一歩、また一歩と距離を詰める。
「伏黒恵の女よ。小僧は貴様を想って、先ほどまで一人で果てていたぞ。滑稽だとは思わぬか?」
「な……何を、言って……っ」
「貴様がその舌でアイスとやらを舐める様が、小僧にはよほど毒だったらしい」
宿儺の指先が、の震える唇をなぞる。
の瞳に、恐怖と困惑が混ざり合う。
だが、宿儺は容赦なく彼女をベッドへと押し倒した。
「やめて、悠二くんを返して……っ、恵くん!」
「その名を呼ぶな。不愉快だ」
宿儺の低い声が、の耳元で震える。
その重圧に、は呼吸を忘れたように硬直した。
「小僧の絶望を肴に、まずは貴様を喰らってやろう。小僧が夢にまで見た『続き』を、この俺が代わりに叶えてやる」
意識の奥底で、虎杖が叫んでいる。
やめろ、彼女に触れるな、と。
だが、その叫びさえも、宿儺にとっては極上のスパイスに過ぎなかった。
「……無駄な足掻きはやめろ。小僧が泣いて喜ぶぞ?」
宿儺が指先で空をなぞると、の喉から声が消えた。
呪力による不可視の圧が全身を縫い付けた。
ただ、恐怖に濡れた瞳だけが、宿儺の紅い眼を映している。
「まずはその口を塞いでやろう」