第2章 プロローグ〜始まり〜
Sideマヨリ
トリト「マヨリ…その力!?」
マヨリ「止めてくれるな…わらわがやらねばならぬのだ!」
深海の秘術に手を染め、もう後には引けぬと覚悟を決めた。
その結果…力を抑えきれずに、大切な事を忘れ、大切なものを傷付けていて…。
マヨリ「…。」
トリト「…大丈夫…じゃないよね。」
目の前の大切な人は傷付いた身体で、それでも苦笑いながらも、優しく微笑む。
マヨリ「…かような想いは、二度とせぬと誓ったのに…。」
トリト「…。」
妾の嘆きに、ただ…彼、トリトは無言を貫く。
しばらくの静寂が続く。
マヨリ「…わらわの事が嫌になったか?」
トリト「嫌いになんて、ならないよ…。」
マヨリ「…。」
トリト「大丈夫!オレは、マヨリを見捨てたりなんてしないから。」
彼はまだ傷が癒えぬ身体で、だけど、何時もの笑顔で応えた。
マヨリ「…ありがとう。それと…。」
トリト「?」
マヨリ「…こんな時に不謹慎では有るが…わらわはそなたが好きだ。」
トリト「え!?」
マヨリ「嘘では無い!本当に…そなたを好いている。他の輩に取られるのが嫌な程に。」
トリト「…オレも、マヨリが他の人に取られるのが嫌だよ。」
マヨリ「!?本当か?」
トリト「本当だよ。好きだよ、マヨリ…。」
マヨリ「!」
頬を撫でる手のひら…嬉しくて、つい勢い良く抱き着く。
トリト「…!ふふっ。」
愛しい彼は、そっと、わらわの背中を抱き返す。
こうして、わらわ達は恋人となった。