禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】
激しい交わりの後、静まり返った部屋には重なり合う二人の荒い呼吸だけが溶け合っていた。
土方はいのりを強く、それでいて慈しむように抱きしめた。
彼女の肌に染み付いた呪いの気配を、自分の体温で全て塗り潰してしまいたかった。
「……はぁ、……はぁ……」
土方は彼女の肩口に顔を埋め香りを深く吸い込む。
しばらくの沈黙の後、彼は決心したように掠れた声で呟いた。
「……こんな時に言うのも、どうかと思うが……」
「……土方さん?」
「俺は……。……本当は、ずっと前から、お前に惚れてた」
その言葉は痛いほどの切実さを孕んでいた。
身寄りもなく、絶望の淵にいた彼女を拾ったあの日から。
不器用な手つきで御守りを作ってくれた事や、周りをサポートして支えてくれる日々。
心の中に灯った小さな火を、土方はずっと「副長」という立場と「呪い」という影で押し隠してきたのだ。
いのりは一瞬、息を止めた。
心のどこかで彼も同じ気持ちなのではないかと感じていた。
けれど、それを言葉にするには、二人の置かれた状況はあまりにも過酷で危うすぎた。
「……私も、です」
いのりは土方の背中にそっと手を回し、その逞しい体温を確かめるように抱き返した。
「知っていました……。土方さんが、私を見る目が、とても優しかったから。……私も、ずっとお慕いしていました」
「……気づいてやがったか」
土方は少しだけ自嘲気味に笑った。
互いに想い合っていながら、言葉にすれば何かが壊れてしまうのではないかと恐れていた二人。
それが、皮肉にも妖刀の呪いという最悪の事態を経て、ようやく一つの結びに至った。
「……だが、今の俺はまだ、このざまだ」
隙を見せれば再び人格を奪おうとする、どろりとした闇。
「この呪いを完全に解くまでは、本当の意味で、あんたを幸せにできるとは言えねェ。……明日からも、また情けねェ姿を見せるかもしれねェが……」
土方は彼女の額に、誓いを立てるように優しく口付けを落とした。