第1章 運命
「死がふたりを分かつその時まで、粛々と献身的に旦那様を支えなさい」
屋敷に女性…というには幼い少女と、淑女。
二人の関係は、母と子。
その言葉を言ったのは母親だった。
少女は産まれた時から夫となる男が決まっていた。
五条家当主――五条悟。
少女よりも10歳年上だった。
少女の名は――十六夜葉月。
十六夜家当主の長女。
二人はまだ会ったことがなかった。
理由は――五条悟だからだ。
婚約者と言えど、未成年の少女に手を出されては困る。
五条悟は性にだらしなかった。
結婚するのは、葉月が20歳になってからと決まっていた。
葉月は今、18歳。
20歳まで子供を作らず、一緒に暮らす。
"成人したのだから、未来の夫を支えろ"
そういうことだった。
「はい。心得ております」
少女の運命は、この時から大きく変わった__。