第7章 最期は、泡沫
今日は11月19日。なんの変哲もない、ただの平日。
縁側に座って足を投げ出し、空を眺めていた。
突然、青の中に黒い点がひとつ。
舞い降りてきたのは――愛しい愛しい、私の全て。
「葉月、おいで」
優しい笑顔を見せた悟さんに抱きついた。
夢…じゃないよね?
悟さんがここにいる。
「あの中から出てきて、一番に会うって決めてたんだ。
葉月、寂しかった?いっぱい泣いたの?」
「……泣いてない」
「ははっ、嘘が下手だね」
悟さんは私の頬を拭って、そのままキスをした。
荒れていた心が包まれて、温度を上げていく。
一番に会いに来てくれた。
それだけで私は、愛されなくていいとさえ思えてくる。
離れた唇は額に触れて、大好きな腕が私の身体をぎゅうと抱き締めた。