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バディコンプレックスによる強化人間

第2章 第一話:強化人間


「ふぅ…今回のは中途半端に終わったなぁ…ん?」

アビスから降りたアレックス。何やら向こうでステラが整備士相手に騒いでいるのが目に入る。

「ガイアを今すぐ強化して!”あれじゃ”私の速やさに追い付かない!!」

「わ、分かりましたから!落ち着いてください、ルーシェ准尉」

ブラディオン(敵の新型)が墜とせず、ステラはいっぱいっぱいの様子。ステラは強化人間だ。あんなに無邪気で可憐で可愛いステラは、戦闘で成果を見せなければ”破棄”される…だからステラは毎日を人一倍全力で生き、人の何倍も必死に生にしがみ付いて居る……それに対して自分はステラの精神を支えてやる事が精一杯…ステラはあんなに頑張っていると言うのに……

「……((俺は、無力だ…))」

だからと言って、諦める事なんか絶対にしない…ステラの”強化を取り除く”なんて、笑われる様な考えであったとしても、、ステラを死なせたくない…

「((死なせるもんか!))…スーテーラ!”お昼寝の時間”だよ。今は機体の事より先ずは着替えなくちゃ」

「…アレックス……、わかった…」

こちらを振り向き、渋々と言った感じで歩いて来るステラ。そんな彼女の後ろでは、整備士たちが安堵の表情を見せて居る。強化人間であるステラはリラクセーションルームに入り、精神を安定させる調整を受ける必要がある。その所謂強化カプセルハッチのことを、アレックスは”お昼寝の時間”とステラには柔らかい印象の言い回しを使っている。

「…アレックス……」

「…大丈夫だから、ステラ。ずっと側にいるからさ安心して寝な?」

「……うん!」

アレックスの言葉に安心した様子で丸いベットの形で造られた強化カプセルに制服の上着と靴を脱ぎ捨て、いそいそとベットに横になるステラ。それを確認した研究スタッフがカプセルの蓋を閉めた。プシュッと空気が抜ける様な音と共にしっかりとロックされ、カプセル内に気体を充満させる。ステラの瞼は閉じられ、直ぐに眠りに落ちた。
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