第2章 第一話:強化人間
「ーーー作戦は以下の通りだ。各自良いな?」
「「「はい」」」
「良し、戦闘準備だ。」
アルフリードの開始の言葉にすらボーとしているステラ。
そんな彼女に一人の女性が近付く…
「ステラ…心の準備はちゃんと出来てる?すぐに戦闘開始になるのよ」
「……ヒナ…うん、できてるよ」
「そう、なら良いの…でも、パイロットスーツはしっかり着なきゃ…」
ステラのパイロットスーツの首元をしっかりと留めるヒナ。
その様子は本当の姉妹の様で……
「ヒナ、ありがとう…」
「どういたしまして」
素直に感謝を述べるステラに微笑を浮かべるヒナ。
作戦開始音にステラはヘルメットをしっかりと被った。
「…シークエンス良好…カップリングシステム起動チェック…良好…。
……ステラ・ルーシェ、ガイア…出る…!」
ガイアに乗り込んだステラは先程のおとなしそうな様子から一変…。
ギラギラと瞳を鋭く光らせながらトライデントから飛び立った。
『ステラ、調子はどう?』
「良いよ…」
アレックスから通信に強張った表情が少しだけ緩む。
ステラの返答に満足したのか、アレックスは満面の笑みを浮かべた。
『ステラ』
「アルフリード…どうしたの?」
『…その様子なら大丈夫そうだな。期待している。』
「?…うん」
ヒナと言い、アルフリードと言い、強化人間の自分にはまずしない事をしてくる人間が多い。それにステラは良く理解出来ないで居た。
「!…あれを、落とすの?」
コックピット画面に映し出された赤と青の二機の新型。
それを確認したステラはギリッと操縦レバーを握る。
『当たり。今回はあの二機のヴァリアンサーだけに集中する事!
準備は良い?ステラ』
「良いよ…アレックス」
『うん、じゃあ行くよ!
コレクティブ、ステラ!!』
「アクセプション…!」
カップリングシステム起動。
78%と高いカップリング率に成功。
ガイアとアビスは敵方の新型に向かって急降下して行った…。