第3章 第二話:守る
「大丈夫だ……もう大丈夫だから。お前のことはちゃんと…」
ディオはそっと、少女の顔を覗き込んで言った
「俺が守るから……」
少女はおずおずとディオの顔を見上げる。涙に濡れた菫色の瞳は、あどけなく、無垢だった。その目はまふで宝石のようにキラキラと輝いていて、ディオはその壊れやすそうな美しさに、言葉を失った…。
「まも……る……?」
たどたどしく、少女はその言葉を繰り返す。
「ああ」
ディオは神聖な気持ちで強く言った。
「だからもう……お前は死なない。絶対に…」
こんな約束馬鹿げている。この世に死なない人間なんていやしないのだから…。
だが、このときディオも自分の言葉を信じた。自分のすべてをかけて、この、今にも砕け散ってしまいそうな儚い命を守ると誓った。
少女は両手でディオの手を取り、その感触を確かめるように自分の白い頬に当てた。