第2章 伏黒 恵の場合…※R18
夢か現か、熱のせいなのか与えられ過ぎた快感のせいなのか、もう何も考えられない。
優しく舌をなぞられ、苦しかった呼吸が甘い吐息に変わる。気持ちを落ち着かせるように繰り返されるキスは優しいのに、繋いだ手に篭る力は徐々に強まっていく。痛いくらいに握りしめられた手から伏黒の我慢を感じ握り返すと伏黒が視線を合わせて来る。
「茉奈」
至近距離で囁かれる伏黒の声に下腹部がキュゥと動いた瞬間、伏黒が小さく声を漏らし、体内に収まっていたモノがグッとナカを押し広げた。その感覚が直に奥まで響き茉奈が息を漏らしたと同時に伏黒が激しく動き出し再び快楽の波にさらわれていく。
伏黒も余裕が無いのだろうか、代わる代わる体勢に翻弄され意識が飛びかけても律動で快楽の中に戻されるという状況に茉奈は何度達したのか分からない程だ。
もはや時間感覚は無くなり、下腹部に温かな何かが放出されたのが最後に見た景色だった。
「ふ…ふぇっくしゅ!!!」
ずび、と鼻を啜った茉奈にティッシュを差し出す伏黒は随分とバツが悪そうにしている。看病をしにきたはずが欲望のままに抱いた挙句風邪を悪化させた、と反省しているのだろう、本人の表情が物語っていた。
自分自身、朦朧とした意識の中で夢だと思っていた昨日の夜の出来事は朝目覚めた時の体のだるさと痛みが現実だと知らしめた。
「昨日はその、悪かった…」
ベッド再度に座る伏黒が鼻をかむ茉奈の目をみて謝罪を述べるが、何と言えばいいのか考えているのだろう。真っ直ぐに目をみて話す伏黒の姿は中学の頃から変わらない、懐かしい気持ちに茉奈が少し笑うと意を決したように伏黒が告げた。
「責任は取る。俺と付き合ってくれ」
順序が狂い過ぎてつい笑ってしまった茉奈は「よろしくお願いします」と伏黒に答えたのだった。
終