第8章 百鬼夜行の、その最中※
「……そうか」
恥ずかしげに視線を逸らすナマエを見下ろして、低く吐き捨てた。
…据え膳食わぬは何とやら。
遠慮なんて甘っちょろい言葉は、とうの昔に忘れちまった。
「っ、…ぁ、」
肌触りの良い寝間着のボタンを、指先で一つずつ、逃げ場を奪うようにゆっくりと弾いていく。
散々恥ずかしいことを言って煽っておきながら、いざ現実が迫れば、ナマエは逃げるように瞼をぎゅっと閉じ、その上から自らの手で視界を覆った。
別に、目は瞑ったままで構わない。
視覚を遮断すれば、その分、皮膚の感度が跳ね上がる───どこかで得たその知識が、本当かどうか試したくなったから。
「…ふー………」
「ッ、」
露わになったばかりの、淡い桃色の飾り。
そこへわざと熱く湿った吐息を吹きかけてやれば、ナマエの身体は目に見えてビクンと、淫らに波打った。
……あながち、間違いでもないのか。
そう確信しながら、熱を帯びて尖り始めた頂きに、わざと冷えた指先でちょんと触れる。
「あ……ちょ、っと待っ───ひゃっ、」
縋るような制止の声を唇で塞ぐように、ふるふると震えるそこへ深く吸い付いた。
ダイレクトな刺激に、逃げ場を求めるようにナマエの背中が弓なりに浮く。
「……ん、ちゅ…」
「んんッ…や、ぁ」
強く音を立てて吸い上げ、口内で熱い舌を這わせ転がすと、耐えきれないといった甘い声が次々と溢れてくる。
今更、拒むような素振りを見せたところで、何の意味もないことくらい分かっていただろうに。
俺の理性に、期待なんてするな。
────それを壊したのは、お前なんだから。
「っ……は、ぁ…う、」
柔らかな双丘を掌で蹂躙するように揉みしだきながら、片方に舌を、もう片方には執拗な指先を添える。
肉の形を両手で容易に変えながら、先端を強く吸い、時に鋭く摘まみ上げて。
刺激の強さを変えるたびに、シーツを蹴って擦り寄るナマエの膝が見えた。
限界が近いのは、俺だけじゃない。
それを確信し、湿った水音に紛れさせるように、空いた片手を熱の籠もった股へと滑らせた。