第9章 見るなってば!※
そう思った瞬間に、いきなり、トイレのドアが開いた。
「うわぁあ!!!!」
「……あんたな、トイレの鍵くらいかけとけよ」
「え!?かかってなかった??まじ…?てか、いつから」
「しばらくいたけど」
「……」
焦りすぎて鍵の存在を忘れていた。そして、穴があったら今すぐにでも入りたい。脇差の偵察力を無駄なところに使うな、ばかばかばか!
「で?なにやってんの?」
「……うわ、しばらく聞いてたくせに質問してくる、最悪すぎ。鬼かよ!」
「鬼斬りはおれの仕事じゃねぇしな」
そう言って肩をすくめた。
「おれは人斬り専門」
「つっこみにくい冗談を言うなよ!?」
「……それはさておき」
ははっと軽やかに笑われる。
「…まぁ、見ればわかるか。吐き出せなくてつらいんだろ?」
「……っ」
図星である。
「霊力、相変わらず足りてる訳じゃねぇから無理に吐き出してもまた倒れんぞ」
「……分かってるけど……だからって」
「だからって?」
顔が近付いてきて、耳元で囁かれる。
「……昼間に一人で悶々として、鍵かけ忘れるくらい追い詰められて、おれが来ないか焦りながら、必死に自分を慰めてたってわけ?」
「やめろやめろ!」
くくっと、喉の奥で笑う音。
「……いけない主だねぇ」
「うるさい……」
恥ずかしすぎて、顔があげられない。
「手伝ってやるって言ったら?」