第18章 迷宮-ザガン-
私達はシンドバッドさんが準備してくれた船で今、迷宮-ザガン-にむかっているところだ。
そして今私は一つ皆に隠していることがある。
完全ではないし、自分の中で思い出したというわけではないが自分の記憶がネックレスから流れてきたことをまだ話していない。
私はあの時のことは自分の記憶だということはわかったが実感はなく、唯知識として頭にとどめている感じなのだ。
まだ戻ってないのに話して期待させてしまったら私はそれに応えることができるかわからない。
そんな状態で話したくないと思ったのと、記憶の中に私のせいで皆を危険に合わしていた事がはっきりわかった。
バルバットにやって来ていたキサラギはまだこの世界にいる。
私はこれ以上この人達と一緒にいてもいいのかと最近はずっと考えていた。
そう思っていても直ぐに離れることができない。
これは私の弱さだと思った。フィズナ帝国で奴隷をしてた時はそんな感情持っていなかったのに今では大切だと思える人ができ、危険に巻き込むとわかっていても離れる事が出来なくなる程に弱くなっている。
私は……みんなと離れたくないんだ。
王宮では出来なかった初めての友達。
いきなり現れた私を受け入れてくれたアリババ、アラジン。
そして同じ奴隷だったという境遇を背負っているモルジアナ。
私はこの3人とはどうしても離れたいと思えなかった。
レイ「離れたくない……。
離れたくなければ私が皆を護ればいい。国では叶わなかったけど今はあの時とは違う。
もっともっと皆を守れるように強くならないと…」
私は決意を新たに出発までを過ごした。