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淫夢売ります

第15章   蠱惑の花


☆☆☆
篠田さんと会った2日後に私はモルフェの戸を叩くことになる。
彼女から教えてもらった通りの場所にあった。狭い間口に木の扉、入り口にはやはり木製の札がかかっており「Oniromancie Morphée」とある。これが「夢占 モルフェ」という意味だそうだ。

店内にはたくさんのビロードの幕がかかっており、星や月のオブジェが飾り付けてある。いかにも占い屋らしい怪しげな雰囲気だ。

奥にテーブルがあり、女性が座っていた。
彼女がここの主人の『ユメノ』だろう。

「こんにちは。本日はどのようなご用向ですか?」
ユメノが気さくに声をかけてくる。ものすごく瞳の黒い人だ。日本人の瞳は黒いというが、ここまで深い黒の人は見たことがない。ただの黒ではなく、不思議な深みのある黒だ。吸い込まれてしまいそうだ。

ええと、確か、ここで・・・
「夢を買いに来たのですが」
こう言わなきゃいけないんだった。

私の言葉を聞くと、ユメノはニッコリと笑う。真顔は美人すぎて怖い感じもするが、笑うととても可愛らしい。

その後、簡単な説明がある。曰く、夢の内容は選べない、返金もできない、などだ。これも聞いていたとおりだった。
私は承諾をし、言われた金額を払う。
この後のことは特に聞いていない。篠田さんもこの後のことは教えてくれなかった。
希望通りの夢ではないということは、特に希望も聞かないということなのだろうか?

ユメノは机の横にある引き出しから、一組のカードを取り出した。形態的にはタロットカードに近い。トランプよりは縦型のカードだ。おそらく紙でできているようだが、丈夫そうな紙である。

裏面は青く、丸や星型をくみあわせた模様が描かれており、表にはやはりタロットカードを彷彿とさせるような古い西洋の絵画のような図案が描かれている。
概ね4〜50枚はあるようだが、全て図柄は違っていた。

ユメノはさっときれいにカードをテーブルに広げる。まるで扇がさっと開いたかのようだった。そしてそのまま私の方を見て「最も惹かれるカードを選んで下さい」と言った。

私はそれぞれの図案を確認していく。どうやら、どれもこれも、男女の色々な交わりの方法を描いているようだ。中には獣と抱き合っていたり、何人もの人に組み敷かれているような図案もある。
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