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淫夢売ります

第12章   奈落の底から


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「夢占 モルフェ」の奥、いつもユメノが座っている席の更に奥が従業員のスペースだ。
カウチがあり、休憩が取れるようになっている。簡単な食事を作ったりもできる。

そのカウチに、青ざめたユメノが横になっていた。
モルフェはここ2週間、店主の体調不良で休業をしていた。

その休憩スペースに男が入ってきた。黒髪、碧眼の端正な顔をした男だ。
「おかえり、カグラ・・・。」
薄っすらと目を開けてユメノは言う。
その目はいつもの闇色ではなく、コバルトブルーの海を思わせるような色をしていた。

「顔色がだいぶ悪い・・・。ギリギリだったね」
カグラは赤い背のカードをユメノに渡した。
「ちゃんと救い出せたのね・・・」
ホッとしたようにカードを受け取る。
「本来の使い方じゃないだろう。無理をしすぎだ。」
「大丈夫・・・まだなんとか・・・動けるから」
ユメノは身体を起こそうとするが、力が入らないのか、なかなか起き上がることができない。
「その様子じゃあ、喰えないだろ?カードを貸してくれ、俺が持ってきてやる」
カグラの言葉に対してユメノはなにか言いたそうにしていたが、結局はあ、とため息をつくだけで済ます。

その様子を承諾と受け取ったカグラは、机の横の引き出しからカードデッキを取り出すと、カードを1枚引き出して、店を出た。

「あーあ・・・あいつに貸しができちゃった・・・」
ユメノは右腕で目を覆うようにして、誰にともなく呟いた。
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