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淫夢売ります

第12章   奈落の底から


「田島先輩の求めているものとは違うかも知れないけど、なにか教えてくれると思う」
という東野の言葉にすがる思いで俺はモルフェにやってきた。

話し通りの店構えで、怪しいことこの上ないが、女占い師のユメノという人は外見に反して気さくな印象だった。
占いでも、夢を買いに来たわけでもない、と言ったらちょっと怪訝な顔をされた。

俺は京子の現状を話した。ユメノは少し迷う素振りを見せたが、俺の顔をじっと見つめて言った。
「それがあなたの欲望なら・・・」
その目が深い深い闇色だったのに、俺はびっくりした。

ユメノが問題を解決するために要求してきたのは50万円という、俺からすると途方も無い額の金だった。

なんとか、貯金をかき集め、更にバイト先に前借りもして払った。占い師に払うからかしてくれとは親にはとてもじゃないけど言えない。

それで得たのが二枚のカードだった。
一枚が裏が青
もう一枚は赤だ
表には同じ図案が描かれている。
天から降りてきた男性が手を差し伸べ、地上で手を伸ばす女性に口づけをしている。

ユメノが言うには「救済」の意味を持つカードだそうだ。

「青い方を京子さんに、赤い方をあなたが持ってください。
 そうすれば、京子さんの夢に入り込むことができるはずです。」

京子が見ている悪夢に入り込み、そこから救い出すこと。
それがユメノが提示した解決策だった。

カードの魔力は本当だった。
カードを使うと、俺はいつも小学校2年生の教室にいる。
京子と同じクラスだった。このときの担任の加賀美が京子に性虐待をしていたのだ。

京子はずっと同じ夢を見続けている。
何の罪もない子どもだったのに、加賀美に弄ばれ、感じさせられ、何度も何度も犯される悪夢を。

あるときは指導室で、あるときは保健室で、あるときは屋上、トイレ、誰もいない教室、数限りなく凌辱され続けた。

俺は何度も何度も京子を救い出そうとして、どうにか夢の筋書きを変えようとしてあれこれ試したのだが、どうしても変えられない。

夢の中では俺も京子と同じ年。無力な小学生だった。
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