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淫夢売ります

第56章   違う電車


私は胸がドキドキと鼓動を早めるのを感じた。身体がカッと熱くなり、かろうじて吊り革を握っている右手はカタカタと震えていた。

小説の内容が頭の中に勝手に流れ込んでくる。会社の中でちょっとした出来心で働いた不正をネタに脅された30歳のOLが、後輩の男性にその豊満な身体をいいように弄ばれる・・・そんなシンプルなストーリーだった。

男が更に画面を弾くと、次の写真が現れた。どうやら、画面に映る写真は、小説に付随しているイメージ画像のようだ。

先程の女性の右の乳房がブラウスからこぼれ、ピンク色の乳首が顕になっていた。写真の中の男性の右手が、そのぷっくりと膨れた乳首をつまんでいる。手のひらの隙間から、女性の薄い色の乳輪が垣間見えた。
そして、男の左手は、女性の顎のあたりに添えられ、無理矢理なのかそうではないのかわからないが、彼の指が二本、その口の中に押し込まれていた。指に絡みつく舌、口の端にこぼれる透明な涎までが鮮明に写っていた。

写真の中の男性の顔は絶妙に画角から切れていて見えないのだが、それがまた妙な想像力を働かせることになる。

ドッドッドッ・・・・

私の心臓が大きく高鳴っていた。早く目を逸らさないと、と頭では思っていたが、あまりのショックに身体が動かない。目を逸らすことも、目を瞑ることもできるはずなのに、私の身体はフリーズしたかのように身じろぎひとつ取れなかった。

な、なんで・・・?

満員電車だ。そんなつもりはなくても、私の胸はピッタリと、ポルノ小説を読み耽る男性の背中に押し付けられている。電車が揺れ、右から左からと乗客から押されるたびに、私の胸は私の意に反して、男の背中を擦るように動いてしまう。

ゾワッと背中に震えが走る。

イヤ!

咄嗟に思った。こんな状態で男性に接するなど、私にとっては嫌悪感以外の何ものでもない。胸がドキドキとし、唇が乾く。手のひらにじっとりと汗をかいていた。

早く・・・早く次の駅に着いてほしい。

画像の中の女性の胸にぐいっとめり込む男の人の節くれだった指が尚更卑猥な感じがして目を逸らしたくなる。写真のイメージが自分の胸が押し付けられている男性の背中の熱さに妙にリンクしてしまい、恐怖とも嫌悪ともつかない、身震いするほど気持ちの悪さを感じる。
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