第52章 テリエ・ドゥ・ラパン
一旦その火照りに触れたら、指を、手を止めることはできなかった。くちゅりと人差し指の先を沈め、中をゆっくりとかき回す。先程の激しいセックスの余韻で蕩けきった私の秘所は、その甘い快感をすんなりと受け入れていく。すぐに右手だけでは足りなくなり、ナイティのアンダーを下ろして、ショーツも取り去り、夫が寝息を立てる横で、激しいオナニーに耽ってしまう。
くちゅ・・・ぐちゅぐちゅ
右手の指で中をかき回しながら、左手の中指と人差し指でクリトリスを円を描くように刺激する。たらりたらりと溢れる秘蜜を掬いとり、ヌルヌルと塗りつけていった。
あ・・・あっあっあっ!
びくん、と腰が浮き、軽い絶頂に達する。
そのまま陰裂に沈んだ指を鼻先に持ってくる。
普段は決してやらない行為。最初は自分でもなぜそんなことをしているのか分からなかった。しかし、そこに香る匂いを嗅いだ時、私は自分が何を求めていたのかを恐ろしいほど明確に悟ってしまった。
夢の中で私の体の芯から立ち昇っていた匂い
私の本能が求めていたのだ。
ノワールの、精液の匂いを・・・。