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淫夢売ります

第41章   記憶の鍵


☆☆☆
一体、ユミは誰なんだろう?

この日、私はこのことばかりを考えていた。

あのふわふわとした柔らかそうな髪
透けるような白い肌にピンク色の唇
目を細めて笑う様子
考える時、顎に指を当てる仕草

そこまで考えた時、何か思い出しそうな気がした。
何か、大切な・・・大切なこと・・・。

不意に、私の中にあるビジョンが浮かぶ。

大きな木の下、みんみんとセミが鳴いている。木の向こうに見える大きくて立派な百合の花・・・季節は・・・夏?
そして、空はオレンジに黄昏れている。
そう、もう行かなきゃいけない時間で・・・。

『・・・なの・・・だから・・・』

黒い七分丈の上着に白いくまのプリント、黒のチェックのスカートを履いた7歳くらいの女の子。
髪の毛は真っ黒でストレート
誰かに何かを一生懸命伝えようとしている。

何・・・て言ってるの?
そして、その子と向かい合っているのは・・・。

私はじっとビジョンに集中する。
黒髪の女の子の前にいる子。
夕日をバックに、顔がまるで黒塗りのようになっている。

でも、髪の毛はふわりとしていて・・・
そして、そして・・・

「なんだか、いい匂いがしていた」

「え?匂いする?」
隣から大知の声がした。その声で私ははっと気がついた。
「なになに?なんか匂う?」
どうやらビジョンの集中するあまり、考えていることが声に出ていたようだった。
今日の最後の講義が終わったところだった。生化学Ⅱの担当助教授が、ホームワークを配信したので来週までにレポートにして提出するように言い終えたところだった。
そんな中、突然「いい匂いが」なんて言い出したものだから、大知が変な顔をして、こちらを窺っていた。
「なんか、裕美ちゃん、最近調子悪いん?」
妙な心配をされてしまっている。
「う・・・ううん・・・大丈夫。ちょっと寝不足で・・・」

大知はあまり気にしていない風を装ってくれているけど、やっぱり私の方はこの間のエッチ出来なかったことが気になっている。さらに言えば、大知とはできなかったエッチが、夢の中とはいえ、ユミとはあんなにも気持ちよく出来てしまったことにも戸惑っていた。

私は、本格的に、自分のことがわからなくなってきていた。
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