第40章 閉ざされた庭園
「じゃあ・・・約束・・・」
ね?と微笑む。
「うん・・・来れるかどうか、わからないけど」
そうわからない。今日だって、どうやってここまで来たのか霧の中を歩いてきたし、そもそも、この夢を見る方法もわからない。
ユミが微笑む。例の、ふわっとした笑みだ。目を細めて、顔を寄せてくる。
「大丈夫・・・約束・・・約束だから」
私とユミの顔が近づく。ユミの吐息を感じるほどだった。
お菓子を食べていたせいだろうか、それとも、これがユミの匂いなのだろうか、甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「キ・・・スして・・・くれたら・・・」
ユミの唇が、私の唇に、そっと重なった。
男の子の唇とは違う・・・ふわふわとした感触。
甘い匂い。
胸に押し付けられた手に感じる、柔らかい身体。
何もかもが気持ちよくて、クラリとする。
唇をついばむようなソフトなキス・・・多分、10秒くらい。
そっと顔が離れると、嬉しそうなユミの顔。
私はいまユミが触れていた自分の唇を指でなぞった。
そこは、まるで火がついたように、熱かった。
「大丈夫・・・また、来られるよ。約束のキス、したから」
そう言って笑ったユミの顔が、私が覚えていた、最後の光景だった。