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淫夢売ります

第32章   人魚姫


☆☆☆
真人の様子がおかしい。

このところ、ぼんやりしているし、私の呼びかけに『みお』と返事をすることがある。最初は浮気?と思ったけど、学校でも一緒、家に帰ってからもほとんど一緒の私達だ。浮気をする時間的ゆとりなんてない。

夜はよく寝ている。何度か確かめたが、夜中に起き出して何かをしているというわけではない。食事も以前と変わらずしている。

なのに、真人はどんどんやつれていった。

そして、やつれていってるにも関わらず、夜の生活だけはやたらと精力的で、私の中で何度も果てるのだった。でも、それも前とは何かが違う。私を抱いているのに、心が私にない。真人の心が伝わってこない。空っぽのセックスだった。

おかしい・・・。絶対におかしい。

心当たりがあるとすれば、モルフェだ。裏新宿のあの奇妙な夢占い屋、あそこに行ってから徐々に真人はおかしくなっていった。

モルフェが夢占だけではない、という噂を聞いたことがある。
淫夢を売る、というのだ。

真人はあの時、すぐに出てきた。私があのユメノという女と話したときは夢の話をし、ユメノの解釈を聞いていたので、それなりに時間がかかっていた。あのときは対して気にしなかったが、今から考えると同じことをしてもらっていたとは思えない。

だとしたら、真人はあそこで夢を買ったのではないか?
そして、今の真人の異常は、その夢に由来するのではないだろうか?

そう思ったからこそ、今日、私は大学の午後の講義を休んで、モルフェに来ていた。今週末の温泉旅行の前に、何としても確かめておきたかった。

重い木の扉を開けると、以前来たときと同じように暗く狭い店内に通じていた。幾重にも垂れ下がる暗幕、あちこちに吊るされている星や月のオブジェ、そして占い用具の展示。
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