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淫夢売ります

第30章   沈む海


この女自体がもしかしたら、怪異なのではないか?
確かめるため、というほど高尚な理由ではなく、単にもう一度見てみたいという気持ちで、暗幕をくぐる。

「あら・・・お連れ様もですか?」
にいい、とユメノの目が三日月に歪む。慌てて、目をこする。
「ホコリでも入りましたか?大丈夫ですか?」
もう一度見ると普通の顔だった。やっぱり、僕の目がおかしいのかもしれない。
ユメノに促され、席につく。
鑑定を、と言おうとしたが、何故かふと気になってしまい、まるで違う言葉が口から出た。
「あの・・・夢が買えると聞いたのですが・・・。」
なんで、こんなことを聞いた?僕は?なんだか、まるで、吸い込まれるように・・・。

「あら、夢のご購入の方ですね?」
ユメノがいたく嬉しそうにする。その姿がごちそうを前にした無邪気で残酷な魔物のように見えたのは、やっぱり僕の目がどうかしていたせいだろうか。
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