第88章 動如雷霆(どうじょらいてい)
ここでも同じだ。
大鹿島の弓と矢はともかく、左前の鏡や土門の数珠はとても武器には見えないが、それぞれが各々の得意とする術式の媒介となっているのだ。媒介となるものを使って発動される術は、それぞれがかなり強力なものになる。
瀬良は自身のことを「水気の術者」と言っていた。なので、ペットボトルに入った水などを武器に使うことすらあるという。今は符を使っている。おそらく補助術式を使って、土御門や他の陰陽博士たちをサポートするつもりなのだろう。
「綾音さんも中央に」
私と大鹿島を中心に、瀬良、土御門、左前、土門そしてダリの5人がそれを取り囲むように円形の陣を引いた。私としてはダリが心配だが、ここで大人しく休むような人(妖怪?)ではないことは百も承知だ。
「土門!なにがおるんや?」
「ええっとそうですねえ・・・報告にあった小玉鼠、それからさっき綾音さんたちを襲ったらしい鎌鼬と山颪・・・おおっ!猫又と雷獣もいますよ!!ざっと300匹ほどですね!」
「ダリはん、平気かいな?」
「貴様に心配されるほどではない」
「そ・・・じゃあ、いっちょ軽くもんでやりますかいな。
土門、術者特定、はよせ」
「アイアイ!」
ざわり、と森が動いたように感じたと思ったら、あたり一面から異形の獣たちが飛び出してきた。