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天狐あやかし秘譚

第81章 奸智術数(かんちじゅっすう)


☆☆☆
ん?やっと接触したか?

工事途中のビルのような殺風景な部屋の中、俺は、簡素なパイプベッドに寝かされている女に目をやった。

俺たちが攫ってきたその女は今、俺の可愛いペットのお陰で、深い、深い眠りについていた。
表情が一瞬険しくなったかと思ったが、すぐに眉間のシワが取れ、口角が緩んだ。頬に朱が差し始めたところを見ると、最初のコンタクトが上手くいったように思えた。

ま、ここまでは順調だ、っと。
女は七分丈のシャツにジーパンという姿である。これから始まることを考えれば、服を脱がしてやったほうがいいのかもしれないが、それも面倒くさい。
今は、力仕事担当のカダマシは不在にしていた。

まあ、いいか。
別に服を着てても、支障はない。

よく見ると、半透明のトカゲのような何かがチョロチョロと女のお腹を歩き回り、時折胸に、またお腹のあたりにと移動をしていた。女の顔に朱が差したとき、お臍のあたりでピタリと動きを止め、中空を見つめ舌を2〜3回出し入れをする。
その後、何かに気づいたかのように、女の股間の方に進んでいく。
そのトカゲは物理的な干渉を受けないのか、股部分にたどり着くと、ジーパンを透かし、顔を股ぐらに突っ込むような姿勢になる。ふるふると尻尾を2〜3回振り回すと、まるで抵抗のない地面にするりと潜り込むかのように、女の股間部分に消えていった。

入った・・・か・・・。
これでほとんど、仕事は終わり。後は時間いっぱいまでこのまま放置で大丈夫だろう。

もう、泣こうが喚こうが、その夢からは出られないぜ?
モミの見せる、永劫の淫夢からは・・・。

「クチナワのお兄ちゃん」
クックックと嫌らしい笑いを浮かべた男の喜悦の時間は、小さな女の子の言葉で遮られた。

ちっ・・・何だよ、うるせえな。
ちらっと声の方を見ると、コンクリ打ちっぱなしの壁に開けられただけの簡素な出入り口にしがみつくようにしてこちらを見ている女の子が目に入ってきた。

「カダマシおじさん、いなくなっちゃって・・・麻衣、お腹すいた」

飯ぐらい、そのへんに転がってるのを勝手に食えよ!
という言葉が喉元まででかかったが、お館様の言いつけもあり、そんな事を言うわけには行かない。見えないようにため息をつくと、クチナワと呼ばれた男は、なるたけ柔らかい表情を作ってもう一度少女の方を見た。
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