第69章 三人成虎(さんにんせいこ)
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瀬良と名乗ったその女性が本当に怪異を祓う仕事をしている人なのか、はっきり言って半信半疑だった。もしかしたら化け物の着包みを着た仲間と組んでいる詐欺師かも、と思ったりもした。一応『宮内庁』と書かれた身分証を見せてはくれたが、私にはそれが本物であるかどうかを判断することは出来なかった。
だけど、アレが夢や幻とは到底思えなかった。ありありと思い出せるあの臭気、そして姿。アレが人間の仕業とはどうしても思えなかったのと、もしアレがまだ私を狙っているのだとしたら、とてもじゃないけど次はどうにかできる気がしなかったのもあり、私は瀬良さんにすべてを話すことにした。
川横の公園のベンチに座り、今あった出来事を詳細に語って聞かせた。瀬良さんは、ゆっくりと聞いてくれて、それでだいぶ落ち着くことが出来た。
「関係するかわからないんですけど、京依っていう友達が『私が鬼に狙われている』って、今日、急に言い出して・・・」
「なるほどね・・・。もし、今さっきあなたが会った、その『ナニカ』が鬼だったとしたら、その子と関係があるかもしれないわね。その、木下って子はどんな子なの?」
「京依ちゃんは・・・」
私は、京依とのことを詳しく話すことにした。