第67章 不立文字(ふりゅうもんじ)
キッと天を見上げる。もう、消えてしまったが、えびす神、貧乏神が消えたあたりを睨みつけた。
ムカムカムカ!
これが・・・これが叫ばずにいられるだろうか!!
「ば・・・・ばかやろー!!!どうしてくれるんだああ!!!」
早春の夜。綿貫亭に、乙女の怒号がこだまする。
「まま・・・?」
「綾音殿?」
清香ちゃんと芝三郎が突然の私のブチギレに戸惑いを隠せない様子を見せる。ダリだけが私の心情を理解したのか、困ったような笑みを浮かべた。
当然、私の叫びに貧乏神の答えはない。
ひゅううと風がひとつ吹き抜ける。
びっちゃびちゃに濡れたお尻が、ただただ、冷たかった。