第7章 天佑神助(てんゆうしんじょ)
こけつまろびつしながら、御九里が走る。御九里も先程の狂骨パンチで大分弱っているようだ。
私もなんとか左に逃げる。
狂骨は?
げ!こっち来た!!!
近い方と判断したのか、私の方に走ってくる。がっしゃんがっしゃんと音を立て、巨大な骸骨が走ってくるさまは、現実とは思えない。
ぎゃああ!!
「ダリー!!」
呼んでみるが、やはりこない。
えーん!呼べば来るって言ったくせに!御九里のやつ!
とにかく走る。公園の中ほどで右に急旋回すると、狂骨は急には曲がれないようでガッシャンガッシャンとしばらく直進し、一旦止まる。よかった。俊敏性が低い!
だ・・・だけど・・・。この広い公園で捕まったら即死亡の鬼ごっことか、ホラー過ぎる。
狂骨がまた私の方に迫ってくる。はあ・・・はあ・・・大分疲れてきた・・・。で、でも、とにかく、逃げねば!
また方向を転換、と思ったら、疲れていたせいか、足がもつれて、転んでしまった。
まずい!
尻もちをついてしまい、立ち上がるまもなく、狂骨が目の前に。
「ふしゅうう・・・・」
口から嫌な音を出している。ガシャガシャと骨の擦れ合わさる音。胸の中にいる清香ちゃんが必死でもがいている。こっちを見ていないから、今度狂骨が私に攻撃してきたら・・・ダメかも・・・。
どうしよう・・・どうしよう・・・。
大きく狂骨が足を浮かす。ふ・・・踏み潰す気!?
そういや、東北で初めてダリに会った時も大足の妖怪に踏み潰されそうになったっけ?
あれは後で聞いたところ「大足」という名前そのまんまの妖怪だった。
ダリ曰く「タタラ神の足だろう」と。タタラ神・・・たしかに足一本だったな・・・。
ああ、あのあと、ダリとエッチなことして、気持ちよかったな・・・できれば・・・もう一度・・・
って!走馬灯している場合じゃない!!
ピンチ!私、命のピンチ!!!
怖くて目を閉じた瞬間、ドゴン!と巨大な音がした。そっと目を開けると、狂骨が左手に倒れるところだった。右側を見ると、右手に懐剣の鞘を握り、それを突きつけるように腕を前方にかざした御九里が肩で息をしている。
何か、術的なもので攻撃してくれた?
「木気・・・召雷一閃・・・」