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天狐あやかし秘譚

第53章 陰謀詭計(いんぼうきけい)


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「朝、高重が確認すると、お堂の中には人外の精液にまみれた斐川だけがほぼ全裸の形で横たわり、侵入したはずの疱瘡神は消えていた、という。そして、仕上げに、高重は、斐川の身に足玉を与え、疱瘡神を完全にその身に封じることに成功した。」

これが、名越家の始祖である斐川の物語・・・だという。

「結局、その胸糞悪い方法で斐川の中に疱瘡神を封じた・・・ってわけか?」
「そうだ。しかも、この方法は、疱瘡神を人の身に封じて無力化することができるだけで、消滅させることができたわけじゃない。・・・疱瘡神を人の身に封じ続ける必要がある」

そう、疱瘡神は消滅したわけでも弱体化したわけでもない。ただ、巫女の体の中に入り、足玉の力で抑え込み、自由に力を行使できない状態になっている、だけなのだ。

「このままの状態では、斐川は老いて死ぬ。そうなれば再び疱瘡神が力を取り戻してしまう。そこで、考えられたのが、『器替え』(うつわがえ)だ。」

器替え・・・なんだか嫌な響きのある言葉だ。

「その後、斐川は女児を生んだ。そして、女児が産まれると、斐川の中の疱瘡神はその女児に移ったのだ。これが器替えだ。こうして新しい器を用意し続け、その子が15の年になると足玉を与え疱瘡神を封印する。その子がまた、娘を産み、疱瘡神を封印し続ける」

これが、名越の家に与えられた使命なのだ・・・、と親父は言った。
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