• テキストサイズ

天狐あやかし秘譚

第50章 一殺多生(いっさつたしょう)


「なんや、簡単にできるなら早よやれや」
土御門が別の意味で不満を述べる。そんな彼をダリがバカにしたように見る。
「貴様のためになぜ、我が働かねばならん・・・」
ダリが見下すような半眼で土御門を見やる。態度の差が激しすぎる・・・。

その様子にかちんと来たのか、土御門は『けっ!』と言いつつ、顔を背ける。本人は聴こえないように言ったつもりだろうが、こっちはこっちで丸わかりだ。

小学生かよ!

「土御門様・・・」
瀬良もそう思ったのか、子供っぽい土御門をたしなめていた。
あるときは優秀な秘書、あるときはツンデレの恋人、そしてこういうときは保護者のようだ。

ほんと、瀬良と土御門はいいコンビだ。
見てるとなんだか微笑ましい。

「とにかく、動けないように縛っておきましょう。このあたりには疱瘡神の気配はないですから、私の方から陰陽寮に連絡を入れて、この人たちの回収を依頼します。」

フェーズ3の病人を放置して、万が一にも峠道の封鎖を超えられたら赤咬病パンデミックの恐怖が現実になってしまう。

瀬良が手早く倒れている人たちを縛り上げていく。そして、それが終わったのち、スマホで陰陽寮に連絡を入れた。

「はい・・・そう、人数は13人・・・村の入口です。道祖神から北東の脇道に20メートルくらい入ったところに転がしておきます。はい・・・念の為、術者を二人ほど同行するほうがいいと思います。」

そして最後に、自分たちは引き続き疱瘡神を探すために、村の奥に入る、と告げて電話を切った。
/ 748ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp