第6章 霖雨蒼生(りんうそうせい)
「清香ちゃんは、悪くないよ」
こんなこと言って意味あるのかわからないけど。言わずにはいられなかった。
「ママを守ろうとしたんだよね?でも、清香ちゃんはちっちゃくて、守れなくて・・・」
清香ちゃんの思いを考えると、言いながら涙が出てきた。
「守れなかったことで・・・そんなに自分を責めないで・・・」
清香ちゃんが口を動かす。何かを言おうとしている。
「があぐふ・・・ぐう・・・ご・・な」
意味をなさない。もしかしたら、魂がだいぶ削れているのだろうか?
そっと、髪に触れるように、頭に手を置く。お願い、もう、自分を責めないで・・・。
その瞬間、清香ちゃんの顔が、すっと、写真で見たその顔に戻った気がした。
え?
しかし、そう見えたのもつかの間、すぐに元の黒い虚ろを持つ怪異の表情に戻ってしまった。
その日は日が傾くまで、私は清香ちゃんのそばに座っていた。