第44章 真実一路(しんじついちろ)
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天から粉のような雪が降っていた。
「この雪、いつまで降るの?」
「さあな」
病院の屋上。私とダリ、芝三郎は塀にもたれて空を見ていた。
空には下弦の月。青い光の中、白い雪がチラチラ舞い散るという非常に幻想的な風景が私達の頭上に広がっている。
この雪は、今回のお芝居の特殊効果担当、ダリによるものだ。
もちろん、妖力を使って降らせたものだ。特にその必要はなかったのだが、ダリなりのサービス精神、というやつかもしれない。
「うまく、いったのかな?私、こんな格好までしてさ」
ぴらりと黒いワンピースの裾を掴む。さすがにベールはもう外していた。
「・・・いったのではないかな・・・。少なくとも、あの母は愛しいものに別れを告げることは出来たし・・・環という娘も、その想いを伝えられたのだし・・・。」
ダリが言った。
「うまくいったならいいけどな・・・」
そう、私達は環ちゃんのお母さんに、環ちゃんの言葉とプレゼントをなんとか受け取ってもらうべく、一計を案じたのだった。