第40章 一意専心(いちいせんしん)
それで、その会社で旦那見つけて、結婚して、子供産まれて。子供さ、私3人産んだんだよ?で、その子達もあの木に登ったんだ。
ある時さ、真ん中の子、佐紀ってんだけど、が、私に言うんだ。
『あの木の枝に登って、男の子と仲良くなった』
よく聞いてみると、薄水色のシャツに茶色の半ズボンっていうじゃないか。
私はびっくりしたよ。
でさ・・・ああ、あの子は本当に『神様』だったんだって思ったよ。
それが、つい最近だね。あの木に登っていた子が枝が折れて落っこっちゃったんだ。そこから問題になっちゃって。あの木を切るだの切らないだの。
市議会で取り上げられて、伐採が決まったって。
私はそれを聞きつけて、大反対さ。当然だろ?私だけじゃない。ばあちゃん、私の子供、みんなあの木の『神様』に世話になったんだ。切らせてたまるかってんだ。