第5章 夢幻泡影(むげんほうよう)
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ダリの説明を要約すると、先程の女の子は、いわゆる『幽霊』なのだという。
「人に仇なすほどのモノでもない。じきに消える、泡沫のようなものだ」
人は強い思いを残すと、その場に魂が縛られるという。そうなると、『常世』、いわゆるあの世だが、に行かず、そこでただただ摩耗によって朽ちるのを待つような存在になる。
それが、私達が幽霊と呼ぶものだそうだ。
そして、大半の幽霊は何も悪さをしないで自然と消滅するらしい。
「大怨霊と呼ばれるような人に害をなすものはごく一部だ」
昔、ダリはそういった『怨霊』を退治したこともあるという。