第35章 窮鳥入懐(きゅうちょうにゅうかい)
ダリが結界のようなものを張っているので私達にはかろうじて当たらないが、それにしたって、いつまで保つかわからない。
宝生前も石釘の結界を駆使してなんとか凌いでおり、おそらく土の術式で相手を無力化する機会を伺っている状態だ。
みんな、命が危ないっつーの!
「どうなのだ!綾音!」
「い・・・今それ大事なの!?」
しかも、この男ばかりのところで、事が終わったらセックスさせろと言い、私にその承諾を求めるって、どんだけデリカシーないのよ!!
し・・・しかも、私、初体験なんですけど!!!
そんな私の乙女の葛藤を尻目に、戦況は悪くなっていく。とにかくホシガリ様の力が強すぎる。振りかぶった腕を下ろすだけで固い木の床がまるでクッキーか何かのようにあっけなく砕けていく。
戦っている部屋もそれほど広くないために、ダリも身をかわしたりするのが難しいようだ。先程からいなしきれない攻撃で、衣服が破れ、若干血も滲んでいる。
「綾音さん!早く答えてあげてください」
宝生前まで!
「綾音さん・・・よくわからないけど、大事なことなのでは?」
え?草介さんも!?
ええい!分かったわよ!もうこうなりゃ自棄よ!
「ダリ!分かったわ!これが終わったら、たっぷり抱かせてあげる!だから・・・だから・・・あんな奴ら、やっつけちゃって!」
ダリがにやりと笑ったのが分かった。
「契ったぞ・・・綾音・・・!」
槍の穂先が鈍く光りだす。
「伏せろ、宝生前、草介・・・綾音!」
ダリの声に合わせ、私達は一斉に身を低くした。
え?何!?なにするの?