第33章 往古来今(おうこらいこん)
今度は腹を刺した。苦痛に耐え、臓物を引きずり出し、叫びをあげながらのたうち回る。それでも、引きずり出されたのとは別の臓物が体内に生まれ、傷が治ってしまう。
・・・死ねない・・・。
まさか・・・。
『私』は領巾を自らの身体から引き離そうとした。しかし、どんなに力を込めても、領巾は私の身から離れることはなかった。
死ねない・・・
領巾を外すことも出来ない。
死んであの人のもとに行くことすら出来ない!
喉からほとばしるような『私』の慟哭が、月明かりが照らす浮内島に、いつまでも、いつまでもこだまし続けた。
真っ黒い絶望が、『私』の、・・・海子の姉の意識と混ざりあって、この夢を見ている【浦原綾音】の心の内を熱いマグマのようにひたすらに駆け巡っていた。