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天狐あやかし秘譚

第5章 夢幻泡影(むげんほうよう)


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【夢幻泡影】人生や世の中の物事は実体がなく、非常にはかないことのたとえ。
何かを追いかけても、泡沫のように消えてしまうものである、みたいな。
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やわらかな朝の光が頬を撫でる。少し、顔をしかめる。先ほどまで見ていた夢が朝露のように消え、意識が急速に焦点を結ぶ。

あ・・・朝?
ああ・・起きなきゃ・・・今日は不動産屋さん行って・・・。

そこまで考えて、違和感に気づく。
あれ?なんか、身体に重みを感じるし、ちょっと気持ちいい。
それに、温かい吐息のようなものが、胸のあたりに・・・?

恐る恐る目を開けてみると、ダリが、私の胸のあたりに抱きついて、おっぱいに顔をうずめるようにしてすやすやと眠っていた。

な!・・・なに!?

慌ててガバっと起き上がると、その拍子にダリが私の胸からずり落ちた。

「ちょっと!ダリ!なんで、こっち来て寝てるのよ!!」

朝から私の叫び声が部屋にこだました。

はっきりいって、嬉しいのだが、心臓に悪い。ついでに、貞操の危機を感じる。
むっくりと、ダリが起き上がる。因みに今は耳がぴょこぴょこ出ているし、ふっさりキツネ尻尾が背中で揺れている。いちいちこう描写するのも面倒なので、これからは、その姿を『狐神モード』と呼ぶことにしよう。

「なんじゃ、騒がしいの・・・」

狐神モードのダリがぐっとのどかに伸びをした。
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