第20章 往事茫茫(おうじぼうぼう)
「えっと・・・」
私が戸惑っていると瀬良が察してくれたようだった。
「ほら!土御門様が妙なことを言うから綾音様が戸惑ってらっしゃる」
「あ、いや・・・戸惑ってる・・・と言えば戸惑っていますが・・・。えっと、心配してない、ってどういう意味ですか?」
土御門に聞いてみる。前もそんなこと言ってた気がするが、なんでなんとかなる、と思えるんだろう?」
「なーに、男の勘、ちゅうやつや。あいつが、連れてこいとまで言うんだ。勝算あるに決まっとる。それとも、姉ちゃんは・・・信じてへんの?あの天狐のこと」
信じて・・・ないわけじゃない。
私は首をふる。
「やろ?だったら、行ってみようや。そんで、どうにもならへんかったら、そんときはまた別の方法考えたらええねん。最悪、もし封印が解かれへんで、ずーっとあの場所に天狐と河西らがとどまったままっちゅーなら、あの場所、宮内庁が接収して神社でも建てたらええねん。」
ははは・・・と土御門は笑うが、とてもじゃないけど、そんなことを想像して笑う気にはなれなかった。
『お主を骨の髄まで愛する』
そういったダリを、今は信じる。
絶対帰ってくる・・・帰れるように、なにか考えがあるんだよね?
ダリ・・・。