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天狐あやかし秘譚

第16章 鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)


ケーキなどが出揃い、改めて、と土御門が話し始めた。
「初めまして、やな。わいは、宮内庁陰陽寮ってとこにおります。土御門(つちみかど)加苅言います。こっちは補佐役の瀬良夕香ちゃん。こう見えて立派な陰陽師なんやで」

陰陽師って・・・。なんか映画の中のイメージしかない。烏帽子かぶって直衣か狩衣着て、みたいな?でも、目の前の二人の格好はいたって現代風だ。
ただ、そういう陰陽師にはもう一人心当たりがあった。

「えっと、御九里さんのお仲間?」
そう、数日前に遭遇した『狂骨』という妖怪から私を守ろうと一応してくれた人。たしか、彼も宮内庁陰陽寮の、と名乗りを上げていた気がする。それから、確か・・・。

「陰陽博士?」
陰陽師と同じ?
「ああ・・・御九里は陰陽博士、陰陽師より位が上やねん。えっとな・・・」
「ちょ・・・土御門様!」
なにか、言っちゃいけないことを言おうとしたのだろうか、土御門が瀬良からたしなめられる。
「もう、固い事言いなや・・・。ほんま、それ瀬良ちゃんの悪い癖やで?」
「まだ民間人である綾音さんたちには、寮内のことをはお知らせできない規則です!」

しゃあないなあと、土御門がため息をつく。

「まあええわ。そのうちどうでもようなるから。あのな、本当はあんなふうに警察署に踏みこむのは予定外やってんけど・・・」

なんだろう、また取り調べ的なことが始まるんだろうか?
御九里の仲間ということは、ダリや清香ちゃんの素性は知っているってことよね?それに、ダリが、土御門のことを『術者』だって言ってたから、きっとこの男も陰陽師なり陰陽博士なのだろう。一体、何を企んでるの?

話を瀬良が引き継ぐ。
「実は、数日前、正確に言えば、狂骨とあなた方が遭遇したときから、調べさせてもらっていました。そちらは天狐様でらっしゃいますね?」
やっぱり知ってた。ダリは『天狐様』と言われたのが嬉しかったのか、若干目を細めている。尻尾がないと感情がわかりにくいが、あれは多分、ドヤ顔だ。
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