第118章 焦眉之急(しゅうびのきゅう)
笑顔でアイスを頬張る母の写真を、撮っておきたいな・・・そんなふうに思ったが、なんとなくカメラを向けるのはためらわれたので、心の中にしまっておくことにした。
ちょっと時計を見ると、そろそろ移動を開始したほうが良さそうな時間だった。
「ねえ、お母さん、この後、コンサートのチケット取っとるんやろ?」
「ええ、そうよ。せっかく東京に来たんやけ、ちょっと奮発してもうた」
あなたも聞くでしょ?と言われて、私の胸がまたまた、ちくんといたんだ。
そう、私の計画では、そのコンサート中に・・・
佐那の願いを叶える算段だったからである。