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天狐あやかし秘譚

第106章 貪愛瞋憎(どんないしんぞう)


ブツブツと日暮が考え込んでいる横で、九条が田久保に問いかけた。
「犯人捕まえるとしたら、次に行くところって?」
「あ、それなんですが・・・御九里さんは県警に行った後、いくつかの新聞社を訪ねたみたいなんです」
「うーん・・・記者は確かに警察の知らない情報持ってることがあるからねえ・・・」

「県警の後・・・新聞社?いくつか・・・?」
ぶつぶつ・・・ぶつぶつ・・・日暮はなおも呟く。

「そこで何を聞いたの?」
「そこまでは・・・何人かの記者に接触をしたってことくらいで。そっちから探るのはもう少し時間が・・・」

「記者?・・・接触・・・?調査・・・行方不明じゃなくて・・・殺人?殺人
・・・死体・・・証拠・・・もしかして・・・!」
はっと気がついたように日暮が顔を上げる。ガバっと田久保の両肩を掴んだ。

「美玖!・・・ぜひ調べてほしいことがあるんです!」
日暮は、田久保に2つのことについて調査を依頼する。

「多分・・・私の予想が正しければ・・・」
日暮が見上げた、空は夕焼けの茜色から宵闇の紫を帯び始めている。白く瞬く一等星が夕暮れの訪れを伝えていた。
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