第6章 さよならだけが
歴史修正主義者がこの本丸の中にいて、この本丸自体の歴史を変えてしまった。そして正史では折れた刀がいた。
……そういうことだと理解するのに、しばらくかかかってしまった。
息が苦しい。頭が鈍く痛む。
「刀剣男士が、時を巻き戻すということはシステム上可能なのか?俺が政府にいたときはそのような例は見なかったが…」
私とは違って至って落ち着きはらった様子の長義さんが聞く。
「プログラムにはセーフティがかかっていますが、神格の高い刀剣男士なら無理矢理それを破ることが可能です。残念ながら、前例はあります」
こんのすけが答える。
「なるほどね。前例はあるが、刀剣男士が所属する政府部隊に簡単にそんな現場を見せるわけもないから機密扱いってことだね。
それは分かったが……っくそ、折れた一振りについて、何か情報はないのか。それさえ分かれば、真相を掴めそうなのに…」
山姥切長義もやはり少しは動揺していたらしい。前髪をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、呻くように呟いた。
その時、声が聞こえた。
「…………鶴丸国永だ」
「っ偽物くん!?目が覚めたのか!!」