第6章 さよならだけが
「いや、思い返すと、先ほど加州が『誰も止めに入れない』と気になることを言っていたな。加州、なにか事情があるのか?」
山姥切長義は加州清光に話を聞くことにしたらしい。そういえば、まだ彼は何か言いたそうに、部屋に残っていた。
「それが、よく分からないんだけど、二人に近寄れないんだ。止めようとして一定の距離まで近付くと、体が、動かなくなって……」
加州自身もよく分かっていないらしく、曖昧な表現だったが、止めに入れない理由があるらしい。
他者が侵入できないように結界でも張っているのか…?誰が?なんのために??
ますます謎が増えてしまった。
「仕組みはわからないが、つまり、今現場に急行したところで何かに阻まれるということだな。…ただ、何もしないという訳にはいかないか。加州、薬研を連れて他の刀剣達に事態を伝えたあと、もう一度二人の元へ向かってくれ」
「了解」
長義さんが私の代わりにテキパキと指示を出して、それに加州清光が頷いた後、部屋を出た。元監査官サマ、有能すぎる。助かる…
「こちらはこんのすけから情報を聞いてから現場に向かおう。もしかしたら、その近寄れないという現象に対してもなにか対抗策が思いつくかもしれない」
長義さんは持ち前の頭の回転の速さで、猛スピードでそう結論づけると、こんのすけに報告を促した。
「こんのすけ、可及的速やかに政府の緊急の調査結果の報告とやらを頼む」
ということで、私たちはひとまずこんのすけの報告を聞くことになった。