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青碧とキミ。

第1章 出会い


夏休みまであと一ヶ月。
「あっついー。早く夏休みにならないかなー」
私は大きなため息を吐き、自転車を押していた。
この暑さも、地球温暖化のせいなのだろうか。流石に毎日この暑さだと呆れてしまう。
「明日は……早帰りか」
内心、私は喜んだ。
 ゆっくりと自転車を押していると、遠くから速い足音と叫び声が聞こえた。
──え⁉︎
周りを見るが、誰もいない。すると、隣の森からばさっと人が飛び出してきた。
彼は私を見るなり形相を変えた。
何だろう? ときょとんとしていると、後から人ではない何かが彼を追っていた。
──まさか!
彼はきっとそいつに追われている。助けなきゃ。
だが、どうやって助ければいいのだろう。私は武器になるものなんて持っていない。なるとしたら自転車ぐらいだろうか。
そんな事を考えていると、「こいつを使え」とどこからか声がした。その後、何か物が落ちる音がした。思わず振り返ると、そこには薄い青緑色の扇子があった。
「これ?」
私は手に取った。
「ゔっ……!」
──なに、これ。
頭が痛い。何かが流れ込んでくる。
……これはね、──すると、──できるんだ。
……彼は南の方にいるよ。
──使い方?
──場所?
痛みはすぐに無くなった。
「行けるかもしれない!」
私は謎の自信に満ち溢れ、その扇子をカゴに乗せて自転車を南へ走らせた。
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