第3章 夜の始まり
玖楼国を出て、旅を続けて1000日余り。
私は唐突に気づいた。
……ファイさんだけ、本っっっ当に年を取らない!!!
モコナは例外として。
黒鋼さんも小狼くんも、もちろん私も。
旅の最初に比べたら、明らかに変わってきたと思う。
それなのに、ファイさんだけは全然変わらない。
魔力ってすごい……!!!
それをそのままファイさんに伝えると……。
「そうかなー?
自分じゃあんまり分からないやー」
「いや、そうですって!!
特に小狼くんとか、めっちゃ大人びたじゃないですか!
それなのに、ファイさんは変わらずですよ」
「確かに、ちゃんも大人っぽくなったよねー」
「え、本当ですか!?」
ファイさんはこういう事をさらりと言える人だから、素直に喜んで良いものか軽く考えてしまう。
すると、ファイさんが私の髪を一束掬って、そこにキスをした。
「本当だよー。このまま押し倒したくなっちゃうくらい」
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